「既存のインド雑貨にはないものを。クールでサステナブルなMade in India を日本で」ー AashaのYoshさん

ひつじの仲間はここにいる

日本でもエシカルファッションやサステナブルファッションという言葉を耳にするようになってきました。何者からも搾取せず、環境にも配慮した製品は素晴らしいけれど、何かを我慢しなければならないと思う人もいるのではないでしょうか?
(実際筆者も機能性が限られたり、気に入ったデザインが見つからないことが多々あります……)

「ヴィーガンだって、クールにおしゃれに、なおかつずっと使えるものを作りたい」。そんな思いでヴィーガンファッションをけん引する人が神戸にいます。
ネットショップ「Aasha」(アーシャ)の経営者であるYoshiさん。主力ブランドである「Arture」(アーチャー)を始め、インドから個性的な商品を輸入し、販売を行なっています。

このネットショップでは特に、Artureで扱う、色とりどりのコルクを使った小物が人気を博しています。その人気の秘密は、デザイン性、機能性の高さ。また革製品のように、使えば使うほど味がでるという経年変化を楽しめるという点です。
ヴィーガンだけでなく、さまざまな人たちから人気を集めている商品との出会い、日本での販売までの経緯をYoshさんに語ってもらいました。

(取材・撮影 間絵莉子)

ムンバイのフリマでの偶然の出会い

ーまずAashaの主力ブランドのArtureとの出会いを教えてください.

2017年の頭にインドのムンバイで「何か面白いものはないかな?」とフリーマーケットを見ていて、たまたま見つけたのがArtureのコルク製の雑貨でした。財布やカードケース、カバンなども売っていました。実際に使ってみて良かったら、日本で販売をしてみたいな、と直感的に思いました。

購入をしてすぐ商品を使っているうちにみるみる惚れ込んで行きました。その時のフリマで出会った店員に、デザイナーであるシヴァ二とケイシャのことを聞いていたので、居てもたってもいられなくて、彼女らのいるチェンマイへ。バスで30時間掛かって、やっと会うことができました。

ーそこで商談をして日本で販売することが決まったんですか?

はい。実際に会ってみて彼女たちの「動物を搾取したくない、サステナブルなものを作りたい」という思いに共感し、帰国してすぐにArtureの輸入総代理店としてAashaを始めました。


Artureの創始者、ケイシャ(左)とシヴァニ(右)。
シヴァニは革製品のデザインを学んでいたが、動物を搾取したくないことから世界中の植物性素材取り寄せて検討した結果、コルクが適していることを見つけ出してクラウドファンディングでArtureを立ち上げた。将来的に動物のサンクチュアリ(保護施設)を作りたいと思っているそう

ーArtureの製品はあまりインドっぽくないですよね?

そうですね。自分自身がインドが好きで、ずっとインドに関わる仕事をしたいと思っていました。しかし、いわゆる“インド雑貨”はすでに日本でもたくさん販売されているので、他の人と同じことをしても面白くないかな、と思っていたんです。

またクオリティが高く、環境に配慮したものや人や動物が搾取されていないものを取り扱いたいと思っていたので、Artureはぴったりでした。

20代のころにどっぷりはまったインドが人生を変えた

ーインドに関わる仕事をしたいと思ったきっかけについて教えてください。

20代前半にバックパッカーで旅したのがインドでした。1秒先には何が起こるか想像ができないおもしろさにハマって、何度となく渡航し、20代後半のほとんどはインドで生活していました。

徐々にヒンディー語も話せるようになり、スラム出身の友達ができてからは、スラムでも生活していましたよ(笑)。

スラムに住むことを余儀なくされている人の中には、正当に働いても給料がもらえない人や、ストライキを起こせない人(ストライキをすると命の危険にまで繋がってしまう)など、搾取されている人も多くて。労働者と雇用者のアンフェアな環境も目の当たりにしました。

また、インドで一大産業となっている革製品は、動物を搾取するだけでなく、鞣(なめし)に大量の化学薬品が使われ、河川の汚染や現地の人の健康被害に繋がっていた。そして、日本でも良く使われるコットンも大量の農薬が使われていて地域全体の公害に繋がっていることなどを知り、「環境に配慮したフェトレードのインド製品を扱いたい」と思うようになりました。

ーYoshさんはラクトベジタリアン(乳製品を摂取するベジタリアン)と聞きました。いつからですか?

ムンバイにいるときに、シッダメディスン(※)やシッダンタ・ヨガに出会ってからですね。もともとインドでは安価なベジタリアン食をよく食べていましたが、住んでいる間にマラリアやデング熱などの病気にかかってしまい、健康の大切さを感じて6~7年くらい前からシッダメディスンを取り入れるようになり、本格的にベジタリアンになりました。

シッダメディスンだとたまに牛乳を飲む必要があるのでヴィーガンではありませんが、放牧された牛から搾乳された牛乳を選ぶなどアニマルウェルフェアを意識しています。

※シッダメディスンはインド南部に伝わる伝統療法の1つ。


見た目ではコルクとはわからない。筆者も実際に手にとってみたが、触ってみると手触りもよく、非常に軽い。耐久性も高く、皮製品のように経年変化も楽しめるという。またコルクは9年に1度樹皮を剥がすことで二酸化炭素の吸収量がアップするなどまさに「持続可能性がある」素材だ。

ーAashaのお客さんはどんな人が多いかを教えてください。

最初はベジタリアン・ヴィーガンやエシカルファッションを意識する方の購入がが多かったのですが、デザイン的にも年齢・性別関係なく持てるものなので、今は徐々に一般のお客さんにも広がっています。また最近は口コミで購入してくださる方やリピーターの方が多いです。

ー口コミで広がるのは良い製品という証拠ですね。

そう自負しています。またお客さんから「味が出てきました」という声をよく聞くので、長く使っていただけていること、耐久性があることを証明でき、Artureの製品に対しての自信にも繋がっているので、何より嬉しいですね。

日本だけでなくアジアにもエシカルでサステナブルなファッションを広げていきたい

ーAashaで今後やっていきたいことを教えてください。

まずはArtureの販路を広げることです。

オンラインでの販路を広げ、ヴィーガンやエシカルを意識していないショップや女性向けのファッションサイトでの販売をして、ファッション業界のサステナビリティに貢献したいと思っています。また国外への進出も検討しています。

ネットがメインとはなりますが、イベントや展示会などの出店も今後続けていきます。オフラインでは実際に手に取って確かめたお客さんの生の声を聞けるし、毎回手応えを感じていますから売る僕も充実感を得ることができます。

オーガニックコットンで作られたTシャツを着るYoshiさん。Aashaで取り扱う一つのブランド。

そしてArture以外のブランドも今後は拡大したいと思っています。

インドは英語が公用語ということもあり、日本よりもアメリカなどから最先端の流行が入るのが早いんですよ。インドの最先端のアーティストがデザインしたオーガニックコットンのTシャツなどの販売を通して「イケてるインド」をアピールしていきたいと思っています。

最後に自社製品も作りたいと思っています。

サステナブルなコルク以外の素材を使ったオリジナルブランドの服飾品やミツロウラップに代わるヴィーガン向けのエコラップにも挑戦したいと思っています。Aasha(サンスクリット語で「希望」という意味)の名前に負けないように、ヴィーガンファッション界の希望になりたいです。

Aasha WEBサイト


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(ひつじの。編集部一同より)

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Mana Kamiya

理事特定非営利活動法人 日本ヴィーガンコミュニティ
『ひつじの。』編集長。地元新聞社の記者になったのち、オーストラリア・メルボルンに移住。現地の日本語フリーペーパ誌でフリーランスライターをしながら、レストランやカフェのアルバイト、ツアーガイドなどを経験。2018年夏に日本に帰国したのち2018年10月より再び新聞社で働き始める傍ら「多様性のある社会」の実現を目指し、いろいろなことに挑戦中。趣味はクライミング。