成果なし、実績なし。東京へ行った工藤が経験したこと~「ひつじの。」サポートキャンペーン第4弾

未分類

前回から引き続き、サポートキャンペーン最終回の今回もサポート(=寄付)の使われ方をテーマに、日本ヴィーガンコミュニティ代表理事の工藤さんにお話しを聞いています。

前回は、サポートのほとんどがその開発費に使われているというV-cookの発想・開発まで経緯、そして一番苦心したというデザインなどを紹介。順調に進んでいると思われましたが、風邪をきっかけに普段ポジティブな工藤さんが“不安”や“心配”を抱えつつ、2019年の5月再び「自分の活動の価値を確かめる」ために東京行きを決意したところまでをお聞きました。

V-cook開発秘話と代表理事の苦悩~「ひつじの。」サポートキャンペーン第3弾はこちらより

東京へと向かった工藤さんにどんな経験が待ち受けているのでしょう?

(取材 神谷真奈)

コネなし、実績なし、結果なし

ー自分のやっていることが「進んでいる感」が全くなく、精神的に落ち込んでしまったことは分かりました。しかし、なぜ東京に行こうと?

やっぱり自分で触れて、聞いて、感じて、確かめに行かないといけないと思ったんです。自分のやっていることが本当に社会で求められているのか。自分のやっていることが本当に正しいのか。それには、実際にレシピに困っている人や、企業の方が必要だなと思いました。

ヴィーガン商品の広報や、ヴィーガン商品の開発をサポートすることを目指しているので今後、パートナーとして手を組む可能性のある企業に話を聞きに行くことが、手っ取り早いと思いました。

東京滞在の約1カ月間、25件の企業・団体にアポイントを取り、実際に出向いてV-cookの説明、また提携プランを紹介しました。この中では経営者層や、商品開発部などの方々とお会いすることができ、実際にパートナーとして協賛してくれるようにもお願いしました。

しかし、結果は目標としていたパートナー企業数には到底届くものではありませんでした。数値的には大失敗……と言っていいのかもしれません。しかし、気分的にはやる気が上がったんです(笑)。

結果がダメでも、実感できたこと

ー結果が悪かったのに、やる気が上がった?(笑)

そうなんです。数値的には駄目だったんですけど、ベジタリアン業界の企業が、何を求めているか直接聞くことができたのは大きな収穫でしたし、数社は「価値がある事業」だと認めてくれるところもありました。

多くの企業は「消費者との直接的な繋がり」を求めています。実際に商品を手にする消費者、しかもヴィーガンである人って、もうすでに日本ヴィーガンコミュニティやV-cookを利用する方の中にいるんです。つまり、僕たちが一番得意とする分野。V-cookがリリースされ、多くの人に使ってもらうことで、その可能性はさらに強まっていくだろうと確信しました。

出資や寄付は数多くもらえなかったですが、それは利益を求める企業ではある種、当たり前のこと。まだ実績も、実際に始まってもいない事業の説明を聞いてもらえるだけでも、素晴らしいことなんだと思いました。

また、本番用のテストが始まったときから少しずつですが、ユーザーの方から「助かる」「タイムラインよく見てます」と言われるとすごくうれしくて。落ち込んでいたけど、いつのまにか気持ちが、またわくわくするようになりました。

今年度末までに6万5000人ユーザー

ーV-cookはリリースされたばかり。目標を教えてください。

まずは、今年度中に1ヵ月6万5000人が使ってくれるサービス規模になることを目指しています。インスタグラムのフォロワー数や、検索エンジンの検索数などから推測すればこの数字は必ずしも、難しいものではありません。まずはターゲティングをしっかりと行い、本当に求めている人(ターゲット)に使ってもらうことが第1目標ですから、求められているものをその時代に応じて作っていきたいです。

ヴィーガンと孤独

V-cookを通して実現させたいのは、もう1つあります。“孤独”の解消です。ヒアリングを通して強く思ったのが、ヴィーガン実践者はどんな形でも“孤独”を持っていること。食生活が大きく変わることで、今まで作っていたものを一度すべて見直さないといけなくなります。

そうすると必然的に、料理が単調になったり、単純に前より美味しくなくなったりして、友達や家族に「美味しくない」と言われて傷つく人が結構な数いたことが分かりました。そして、残念なことに、それがきっかけでヴィーガンというライフスタイル自体も理解されない。そんな人もいて、すごく悲しい気持ちになりました。
だからこそ、レシピの共有やメッセージのやり取りをすることで、オンラインのコミュニティを形成し、料理のレパートリーを増やして、美味しいご飯を振る舞うことで、実生活のコミュニティも豊かにしたいと思いました。

”Beyond” Hello Vegan! ~ Hello Veganな社会の先に

ー最後に、日本ヴィーガンコミュニティの目指す社会を教えてください。

もう何度も言ってきているのですが、改めて言います。「Hello Vegan!な社会」を実現することです。これは純粋に僕の生きたい社会です。だから、エゴでもあります。しかし、加入してくれているメンバーも、そしてサポートをしてくださってる方も、気持ちは一緒だと思います。ヴィーガンを始めようと思ったら「Hello Vegan!」と言って迎え入れられる世界、ヴィーガンを苦なく実践できる社会ですね。そこに向かってみんなで一緒に歩んでいきたいと思っています。

そして、その世界を実現するために僕は2つのステージがあると思っています。1つ目は上記のような、ヴィーガンを気軽に実践することのできる環境を作ること。それは今現在やっていることです。そしてそれを作り出すことができて、初めて教育や啓蒙活動といったセカンドステージがあると思っています。
1つ目のステージは、この5年が勝負。そこまでにまずは、日本ヴィーガンコミュニティがきちんと収益化できる事業を持ち、団体としてしっかりとした基盤を持つ必要があります。「ヴィーガンと言えば、日本ヴィーガンコミュニティ」というポジションを作るため、今後もメンバーと力を合わせて活動していきます!

5月の東京滞在中に会ったサンプラザ中野さん(右)と工藤。

「ひつじの。」へのサポートをいつもありがとうございます~編集長・神谷より

今回の企画は、サポートをお願いする団体が、あえて寄付というテーマを取り上げるという少し変わった趣旨の企画でした。私自身、こんなある種ストレートな内容で企画をしても良いのかと少し悩みました。

サポートは、ただの金銭の授受ではないと思っています。寄付する側も、寄付された側にも熱い思いがあって、その気持ちが一致するからこそ、サポートという1つの形に帰結します。今回登場いただいたサポートメンバーである松田晶子さん、鈴木マリカさんにもストーリーがあり、それぞれに熱い思いがある。この場を借りて、お二人には感謝申し上げたいです。

「ひつじの。」も2018年10月の構想の時点から半年以上、一般公開されて3カ月がたち、少しずつですが認知が高まってきました。
幸いなことに数名の方からはうれしい言葉をもらい、励みとなることもありました。一方で、編集長である私を含め、ほかのライターの方もボランティアで行っており、今後の活動の展望が読めないことも確かです。

しかし、コンテンツとして面白いものを、読者の方に精一杯提供したいという気持ちは変わりません。ヴィーガンという一つのテーマに沿いながらも、私たちが目指しているのは多様性のある社会です。そのためには、寄付という形のサポートだけでなく、「ひつじの。」のSNSでのシェア、口コミ、話題提供など、様々な形でのサポートをお願いします。

また「ひつじの。」では、あなたの声も受け付けています。簡単なアンケート内容ですので、是非ご協力をお願いします。

最後になりましたが、ここまで読んでくださったあなたに感謝を申し上げたいと思います。今後とも、編集部をよろしくお願いします。
編集長 神谷真奈

V-cookを使ってみたいと思われた方は下記からアクセスください。

The following two tabs change content below.

Mana Kamiya

理事特定非営利活動法人 日本ヴィーガンコミュニティ
『ひつじの。』編集長。地元新聞社の記者になったのち、オーストラリア・メルボルンに移住。現地の日本語フリーペーパ誌でフリーランスライターをしながら、レストランやカフェのアルバイト、ツアーガイドなどを経験。2018年夏に日本に帰国したのち2018年10月より再び新聞社で働き始める傍ら「多様性のある社会」の実現を目指し、いろいろなことに挑戦中。趣味はクライミング。

未分類

Posted by Mana Kamiya